●2017年02月末日用事務所だより
第1 税務・会計・法務情報
《1》固定資産税課税明細書を保管しておきましょう
昨年もお知らせした事項ですが、本年も再度お伝えします。
不動産を所有されていると、毎年、固定資産税課税明細書が、納税義務者の方に送付されてきます。福山市の場合、昨年(平成28年分)は4月8日に発送されたそうです。納付書綴りの中に綴じ込まれているのが普通ですが、固定資産の数が多い場合には、別紙になっていることもあります。
この固定資産税課税明細書は、自分の不動産の相続税評価額を見る際に、1つの目安となります。固定資産税と相続税とは、別の税目ですので、考え方は完全に同じではありませんが、ある程度参考になります。
たとえば、固定資産税課税明細を見ると、そこに「価格(評価額)」という欄があります。建物の場合、この「価格(評価額)」欄の額が、相続税評価額となります。
┌────────────────────┐
│建物の相続税評価額 = 固定資産税評価額│
└────────────────────┘
注意:「固定資産税課税標準額」欄あるいは「都市計画税課税標準額」欄は、
税制優遇で軽減された額であり、評価額ではありません。
また、土地は、宅地の場合、この「価格(評価額)」欄を0.7で割って0.8を乗じたものが、ほぼ相続税評価額になります。
┌────────────────────────────┐
│土地(宅地)の相続税評価額 = 固定資産税評価額 │
│ ÷ 0.7 × 0.8│
└────────────────────────────┘
市街化区域の宅地以外の土地の場合は、固定資産税課税明細からすぐに分かるということにはなりませんが、それでも、参考資料となるのは間違いありません。
このように大事な資料ですが、紛失してしまっている方がおられます。紛失したからと、市役所で固定資産税評価証明書を求める場合には、一定の手続きも必要ですし、手数料も生じてしまいます。
紛失しないように、是非、大事に保管なさってください。
ところで、共有名義の場合には、代表者の方のところにのみ送付されますので、自分の持分があっても、ご存じない方もおられます。この場合には、代表者の方に写しをとらせていただくか、市役所で固定資産税評価証明書を入手することで確認できます。
《2》福山市役所で固定資産税評価額の閲覧・縦覧を行っています
こちらも昨年に続き、再度のアナウンスです。
毎年、4月中は、福山市役所2階資産税課では、本年度の固定資産税評価額の閲覧・縦覧を行っています。
縦覧・閲覧制度について(福山市資産税課)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/shisanzei/51.html
その際に、「土地・家屋 名寄帳兼課税台帳」の写しをくれます。
この写しは、固定資産税課税明細よりも詳しいものになっています。
何より重要なのは、上記でご説明したように、共有名義の場合などは、固定資産税課税明細が送付されないことがありますが、この閲覧制度では、共有分も写しをくれます。
更に言えば、
┌────────────────────────────┐
│私道などで固定資産税が非課税になっているものの共有持分 │
│であっても、遺言や遺産分割協議書作成時には、不可欠です。│
└────────────────────────────┘
しかし、毎年くる固定資産税課税明細では、固定資産税非課税の財産は、記載されていないので、把握ができません。
また、実は、同じものは、後日になると、手数料を支払ってでも取得できません。
手数料を支払って「固定資産税評価証明書」あるいは「固定資産税公課証明書」を入手することはできますが、情報量が少なく、しかも費用が余分にかかります。
┌───────────────────────────────┐
│是非、4月になったら、福山市役所2階に閲覧に行ってみて下さい。│
└───────────────────────────────┘
ちなみに、印鑑は不要ですが、本人確認の運転免許証等が必要です。
親族であっても、生計一親族であれば、手続きができます。
《3》平成28年分所得税・消費税の口座振替日
個人の確定申告で口座振替をご利用されている方は、口座振替日が、4月20日木曜となっていますので、ご注意下さい。
なお、個人事業者で消費税の振替納税をご利用の場合、4月25日火曜です。
振替日に口座引落しができないと、延滞税が生じてしまいます。
残高不足が生じないよう、くれぐれもご注意下さい。
《4》平成29年1月から振替納税の領収証書が送付されません
口座振替で国税を納付されている方には、従来、金融機関から領収証書が送付されてきました。
会計検査院の指摘により、経費節減を理由に平成29年1月より廃止になっています。 ご注意ください。
第2 研修会情報・執筆情報
《1》関与先様向研修会
現在のところ、特に予定はありません。
なお、弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。
《2》外部研修会情報
現在のところ、特に予定はありません。
《3》執筆情報
1)週間税務通信 月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会のメンバー(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。
2月では、下記が掲載されました。
<第5回> 実例から学ぶ税務の核心
役員退職金の最近の裁判例をどう位置づけるか③
税務通信 3445号 2017年02月13日掲載