●2012年7月31日用事務所だより
第1 税務・会計・法務情報
《1》自分の相続税が気になり始めたら
(略)
《2》国際課税が強化されています。
(1)国外財産調書制度の導入
平成24年度税制改正により、国外財産調書制度が導入されました。該当があれば、平成25年分以後の確定申告時に提出が求められることになったのは既報の通りです。
これについて、国税庁からパンフレットが配布されています。
さて、この国外とはなにをもっていうのか、当初法律案がでた時点では明らかではありませんでした。その後政令や省令が出て、
┌───────────────────┐
│国外・国内の判定は相続税法に倣うことが│
│明らかになりました。 │
└───────────────────┘
土地などは国外財産かどうか、考えるまでもなく明白です。しかし、次のような財産は、国外財産に当たるかどうか、おわかりになるでしょうか。考えてみてください。
Q1 シティバンク東京支店に外貨預金した。
Q2 外国債券を日本の証券会社で買った。
Q3 外国債券に投資する投資信託を日本の証券会社で買った。
ここでは敢えて答えを書きません。
しかし、誰でも間違わないかというと、そうそう簡単ではありません。
┌──────────────────────┐
│「ウチには海外財産なんてないよ」という方に、│
│特にご注意頂きたいと思います。 │
└──────────────────────┘
(2)非居住者に対する源泉徴収
非居住者に対する源泉徴収制度で誤りが多いため、パンフレットが出されています。
(略)
《2》国税庁・国税局の情報から
1)東京国税局 平成23年度査察の概要
7月6日に東京国税局から、平成23年度査察の概要が公表されました。
http://www.nta.go.jp/tokyo/kohyo/press/h23/sasatsu/index.htm
告発事案の概要として、
・「情報提供サービス」を含むインターネット関連業種の告発が目立ちました。
・食料品輸入売買取引をダミー法人が行ったかのように仮装していた
・海外の事務所経費名目で、架空の海外業務委託費を計上していたもの
のように、IT関係や輸出入取引に焦点があることが分かります。
なお、脱税資金が何に化けているのかが、査察の注目点です。
・現金や預貯金として留保されていたほか、不動産の購入や投資に充てたり、自己の遊興費に費消するなどの例も多く見られました。
・ベッド下にベッドカバーで包まれていたビニール袋内に現金を隠していたものなどがありました。
告発の多かった業種は、次の通りです。
┌─────────┬─────────┬─────────┐
│ 平成21 │ 22 │ 23 │
├────┬────┼────┬────┼────┬────┤
│ 業種 │ 者数 │ 業種 │ 者数 │ 業種 │ 者数 │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│不動産業│ 7│不動産業│ 10│情報提供│ 4│
│ │ │ │ │サービス│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│鉱物、金│ 5│人材派遣│ 3│食料卸 │ 3│
│属材料卸│ │業 │ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│商品・株│ 4│飲食料品│ 3│建設業 │ 3│
│式取引 │ │小売業 │ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│人材派遣│ 3│出版・印│ 3│- │- │
│業 │ │刷関連業│ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│建設業 │ 3│- │- │- │- │
└────┴────┴────┴────┴────┴────┘
また、相変わらず、外注費にも注目が続いているようです。
・消費税事案では、課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目仮装していたもの
なお、国税査察制度については、
「国税査察制度のあらまし」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/01.pdf
をご覧下さい。
2)パンフレット「暮らしの税情報」(平成24年度版)
パンフレット「暮らしの税情報」(平成24年度版)が公表されました。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/index.htm
印刷して手元に置いておくと便利かと思います。
第2 研修会情報
現在予定している研修会はありません。
なお、弊所では、毎年秋口に、贈与税セミナーを実施しております。
贈与について御検討中の方は、どうか受講されますよう、お願い申し上げます。
第3 その他
1)所長濱田の雑誌寄稿のご紹介です。日本税理士会連合会監修の月刊「税理」2012年8月号に、特集記事の1つとして、「のれん(1)取得」が掲載されました。
なお、弊所玄関口には、所長の書いた書籍・雑誌などが並べてあります。
以上
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INET用
《1》PC用)パソコン・スマートフォンのセキュリティに注意を
以前にも何度か書いたことですが、パソコンのウイルスチェックは、自動だけでは不十分です。
┌─────────────────────────┐
│自動処理では、パターンファイルが公開された時点で │
│わかっているウイルスしか検知できません。 │
│その後にパターンファイルに追加されたウイルスは、 │
│自動チェックの対象にはならないのです。 │
└─────────────────────────┘
そのため、
┌──────────────────┐
│1週間に1回程度、数時間かかっても、│
│きちんとウイルスチェックをかけてみる│
└──────────────────┘
ことが大切です。過去のチェックでは検出されなかったウイルスが発見されるということは、よくある話です。
なお、スマートフォンについては、情報漏洩アプリがかなりの程度混じっているというのは最近よく話題になっています。こちらも無料のウイルス対策ソフトがあったりしますので、なにも対策のない方は是非ご検討ください。ちなみに、私は、無料の、Dr.Web Light(android)を使っています。