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2019年1月末用事務所便り


2019年1月末用事務所便り案

第1 税務・会計・法務情報

 《1》中小企業等経営強化法による固定資産税軽減措置は終了

 償却資産税軽減について、強化法による措置は終了です。


経営力向上計画に係る固定資産税の特例措置の終了について
中小企業庁 平成31年1月18日

経営力向上計画に係る固定資産税の特例措置は、平成31年3月31日をもって終了します(期限の延長は行いません)。
適用期限である平成31年3月31日までに取得等をした設備は本特例措置の対象となりますが、平成31年4月1日以降に取得等をした設備は対象外となりますのでご注意ください。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2019/190118kyoka.htm


 今後軽減を受けるためには、その後に出てきた、中小企業支援-生産性向上特別措置法(先端設備等導入計画)によることになります。取得前の手続が必須であること、申請窓口も市町村であるなど、旧制度と大きく異なりますので、十分ご注意下さい。

 《2》医療費控除 その1 領収書と医療費明細について

 昨年より、医療費領収書は、原則、医療費明細書に記入して。
 提出不要ですが、自分で5年間保管しなさいというルールになりました。

 ただ、
┌──────────────────────┐
│5年間領収書をなくさず保管するのは神業です。│
└──────────────────────┘

 出せと言われて出せないと、その時点で修正申告・納税が待っています。
 そこで、弊所では、領収証は、従来通り、税務署に提出する方針です。

 ただし、本年1月時点で、福山税務署窓口では、明細書記入があれば。
 領収書を受理されなかったとのお客様からの情報がありました。

 そこで、
┌───────────────────────────┐
│弊所は、郵送で福山税務署に送付する方針をとっています。│
└───────────────────────────┘
 制度上、これが可能なのも、あと2年程度ではありますが。
 可能な限り、皆さんの保管義務をなくすようにしたいと考えています。

 結果、税務署のアナウンスとは逆の対応を弊所がとっておりますが。
 上記趣旨ですので、どうかご理解頂ければ幸いです。

 《3》医療費控除 その2 医療費のお知らせと領収書

 もう1つ昨年から、医療費控除についての改正があります。
 健康保険等からの「医療費のお知らせ」を領収書代わりに使える場合が生じています。

 窓口での自己負担額記載があるなど6項目記載を満たす場合ですが。
 これで代替できる場合は、医療費明細の記入が不要になります。

 ただし、交付を受ける時期の関係で、1年分全ては記載がありません。
 正確に言えば、申告期限内には年間分の入手が間に合いません。

 現状で、福山市からは、以下の情報がありました。


福山市からの「国民健康保険医療費のお知らせ」,「後期高齢者医療に係る医療費のお知らせ」は,2018年分(平成3○年分)から,自己負担額が記載され医療費通知として添付が可能となりました。11月分12月分につきましては,明細書への記入をお願いします。、

●2018年分(平成SO年分)の福山市からの「国民健康保険医療費のお知らせ」,「後期高齢者医療に係る医療費のお知らせ」の発送について

国民健康保険
 1月2月分→5月  3月4月分→8月  5月6月分→10月
 7月8月分→12月 9月10月分→2月 11月12月分→3月下旬

後期高齢者医療保険
 1月~10月分は1月下旬~2月上旬
 11月~12月は3月下旬


 つまり、「医療費のお知らせ」は、国保は12月に8月分まで到着済で。
 後期高齢者は、1月から10月分がそろそろ届く、という話になります。

 よって、「医療費のお知らせ」を使う場合、10月分までが限界です。
 11月・12月分は、必ず、領収書に基づく明細書記入が必要になります。

 また、保険外である自費などは当然これには出てきません。
 そして、紛失した場合、再発行はしないそうです(昨年の福山市回答)。

 これを踏まえて、3通りの実務的な選択肢があるでしょう。

┌─────────────────────────────┐
│【1】領収書を全て用意して、明細書記入する │
│   (従来通り) │
│ │
│【2】「医療費のお知らせ」で足りないものは、領収書を用意。│
│   明細書に記入して、補完する。 │
│ │
│【3】「医療費のお知らせ」で足りないものは、申告しない。 │
│   (面倒であるからと割り切る) │
└─────────────────────────────┘

 どれを採用すべきかは、恐らく各人で皆異なると思います。
 ただ、弊所に申告を依頼される場合、
┌─────────────────────────┐
│資料を頂くのが遅れると、弊所での申告が間に合わない│
│恐れが生じます。 │
└─────────────────────────┘

 皆様のご理解とご協力を是非とも宜しくお願い申し上げます。

 《4》医療費控除 その3 セルフメディケーション税制は従来の医療費控除との選択適用

 ドラッグストアの薬の購入費用が使え、足切りが低いので。
 各所でアナウンスが広がっているセルフメディケーション税制ですが。

 明細書にドラッグストアの薬のうち、対象になる品目だけを記入して。
 申告者のインフルエンザ予防接種領収書等と共に提出の必要があります。

┌────────────────────────────────┐
│単に、ドラッグストアの薬の領収書だけでは、認められない制度です。│
└────────────────────────────────┘

 上記予防接種領収書など、一定の健康増進の取組書類の提出が必要です。
 詳細は、パンフレットなどをご確認下さい。

 本制度は、従来の医療費控除との選択適用です。
 従来制度で足切り額を十分に超えていれば、基本使うと不利です。

 足切り額の関係で、従来制度は使えない、という方については。
 検討される価値があります。

 ただし、対象品目の抽出記入の作業が非常に煩雑です。
 弊所に申告を依頼される場合、明細書記入を宜しくお願いします。

 弊所で記入して欲しいというご要望には、お応えできません。
 どうか事情ご賢察頂きますよう、宜しくお願いします。

 《5》請負工事等の消費税経過措置は3月末までの契約分限定です

 (略)

 《6》国税庁からの連絡を装った不審なメールについて(平成31年1月22日)

 ご注意下さい。


 「所得税に関する重要なお知らせ」などの件名で、国税庁からの連絡を装った不審なメールが送信されていることを把握しました。

 国税庁では、e-Taxの利用にあたり、メールアドレスを登録している方に対して、メッセージボックスに情報が格納された際などに、登録しているメールアドレス宛てに「e-Tax(国税電子申告・納税システム)?info@e-tax.nta.go.jp?」の 送信元表記で、定型文の「税務署からのお知らせ」メールを送信しています。

 定型文に当てはまらない「税務署からのお知らせ」メールについては、酷似又は偽装したメールであり、e-Taxから送信したものではありません。

 このようなメールを受信された場合は、メールを開封せずに削除するなど、取り扱いには十分にご注意ください。

 e-Taxから送付する「税務署からのお知らせ」メールの件名等については、「「税務署からのお知らせ」メールが届いた方へ 」をご確認ください。

http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_hushin_mail_2019.htm


第2 研修会情報・執筆情報

 《1》関与先様向研修会

 弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。

 平成31年度税制改正速報セミナーは、1月24日14時よりTKC福山センター(会議室)にて開催しました。

 教育資金一括贈与特例の経過措置などを中心にお話をさせて頂きました。

 《2》外部研修会情報

 現在予定はありません。

 《3》執筆情報

1)週間税務通信(税務研究会)で月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会グループ(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。

 1月では、下記が掲載されました。

 「実例から学ぶ税務の核心 第27回【特別編】新春・平成31年度税制改正大綱を読む」(税務通信2019年1月7日号)

 機会があれば是非お読み頂ければ幸いです。

 《4》書籍情報

 1月発刊の改訂書籍として、清文社の信託・一般社団本、大蔵財務協会の利益移転本(関係会社間・個人間)が予定されています。


「改訂増補/相続贈与・資産管理・事業承継対策に役立つ! 実践 一般社団法人・信託 活用ハンドブック」大阪勉強会グループ著
https://www.amazon.co.jp/dp/443363008X/

「関係会社間取引における利益移転と税務 改訂3版」
小林磨寿美・佐藤増彦・濱田康宏・大野貴史
https://www.amazon.co.jp/dp/4754726308/

「個人間利益移転の税務 改訂3版」
小林磨寿美・佐藤増彦・濱田康宏・大野貴史

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INET用

 (略)