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●2018年06月末日用事務所だより


●2018年06月末日用事務所だより

第1 税務・会計・法務情報

 《1》生産性向上特別措置法による支援について(福山市)

 中小企業者等に対する機械装置等の償却資産税の減免制度が福山市でも始まりました。

生産性向上特別措置法による支援について(福山市)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/kigyo/121188.html

 上記サイトにおける手引きに従って、先端設備等導入計画を立案して、導入による労働生産性向上の目標等を記入した申請用紙を福山市に提出することになります。

 その際に、認定経営革新等支援機関による事前確認書や工業会証明書などが必要になりますので、手引きを十分に確認して下さい。

 なお、これまでの中小企業等経営強化法における「経営力向上計画」制度との大きな違いは、

┌─────────────────┐
│設備取得「前」までに」 │
│「先端設備等導入計画」の認定を取る│
│ことが必須となる │
└─────────────────┘

 点です。

┌─────────────────────────┐
│設備取得「後」に計画申請を認める特例はありません。│
└─────────────────────────┘

 従って、購入を検討し始めた段階から、十分な余裕を持った取組をしない限り、本制度は適用できません。

 機械装置の導入が多く、本制度を導入しようとしている関与先様は、くれぐれもご注意下さい。

 《2》定額制の日当が過大であると否認された事例

 皆さんが勘違いをされていることが多い日当の話です。
 宇都宮地裁昭和50年10月16日判決を題材にします。

 実は、原告は、有名な会計事務所でした。
 当時の1日あたりの日当を、代表者に3000円出していました。

 妻である取締役にも、1日あたり2000円支給していました。
 これについて、1000円を超える部分を否認されました。

 要するに、日当高過ぎでしょ、と言われたわけです。
 原告は、定額制を認めないのはけしからんと言ったわけですが。

 裁判所は、当然のように一蹴しました。

「およそ民間企業の旅費規定において定額制を採用し、日当の定額を定めた場合、その金額が物価事情、企業の規模など諸般の事情に照らし、社会通念の許容する範囲を超えた場合には、税務官庁がその超過すると判断される部分の経費性を否認できることは当然すぎるほど当然のことである。そうでなければ、「日当」という名による合法的脱税がいくらでもまかりとおることになるからである。」

┌────────────────┐
│「日当」という名による合法的脱税│と厳しい指摘です。
└────────────────┘

 では、国側の主張を確認しておきましょう。
 まずは、旅費について。

「そこで、税務の面においても、右の定額が本来の実費弁償に代えて社会通念上妥当な合理的基準に基づき算定されているならば、その定額と旅行実費との間に若干の過不足があっても、それは僅少の差に止まるであろうから社会通念及び課税技術上あえてその過剰分については課税を行なわないことにしているわけである。

 そして、旅費が非課税とされるのは、旅費の支給をうけても、それが社会通念上相当なものであれば、それは旅行により消費されるものであると認められるからのことであり、したがって社会通念上必要と認められる範囲をこえるような著しく多額の旅費の支給がなされるような場合には、それが旅費という名目で支給されたとしても、その分が全部非課税とされるわけではない。

 税法は、非課税所得としての旅費額の範囲あるいは損金として認められる限度については直接これを規定していないが、それは当該企業の規模業態及び業績その他の諸状況からみて当該企業の業務遂行上通常必要なものであると一般的に認められる程度のものでなければならないことは当然のことである(高松地裁昭和三二年一〇月一一日判決税務訴訟資料二五号八二一頁参照)。」

 本当は実費弁償でなければ課税すべきなんだけど。
 社会通念上妥当な合理的基準で決めるのも、ある程度やむを得ない。

 ただ、定額制を認めるのは、実費弁償と遠からずであることが必要だ。
 いや、当たり前なんですが。

 更に、日当について。

「日当とは、旅行中の昼食費の補給費及びこれに伴う諸雑費並びに目的地たる地域内を巡回する場合の車賃等の交通費及び諸雑費にあてるための旅費であると解され、このうち、おおむね昼食関係費が半分その他の費用が半分という構成がとられているのが通常であるから、旅行の時間的、距離的条件によって日当の定額に差異を付するのが合理的であるとされている。」

 ここを誤解している方々が、非常に多いです。

┌──────────────────────┐
│日当って、非課税のお小遣いじゃないんです。 │
└──────────────────────┘

 「旅行中の昼食費の補給費及びこれに伴う諸雑費並びに目的地たる地域内を巡回する場合の車賃等の交通費及び諸雑費にあてるための旅費」

 そして、

「このうち、おおむね昼食関係費が半分その他の費用が半分という構成がとられているのが通常であるから、旅行の時間的、距離的条件によって日当の定額に差異を付するのが合理的」

┌──────────────────────────┐
│出張時に会社に請求できず、自腹を切ることもあるよね。│
│そういう諸雑費額を見込んで払っているのが、手当だ、 │
└──────────────────────────┘

というわけです。

 出張先で、予定していないのに、急に現地で2泊してくれと言われた。
 何も用意していないから、下着やワイシャツもいるし、……。

 こんな時に、会社にこれらの費用が請求できるか。
 できませんよね。

 現実に、20数年前の私はできませんでした。
 だって、全部、日当で手当しているという建付けなのですから。

┌─────────────────────────┐
│実費弁償の対象額は何をどのように想定しているのか。│
│そこを考えずに、相場だけで判断するのは危険。 │
└─────────────────────────┘

 私自身は、そのように考えています。

 《3》広島県福山市がふるさと納税で郵便局の「みまもり訪問サービス」をスタート

 福山市で、ふるさと納税での、みまもりサービスが使えるようになるようです。

財形新聞 2018-06-04 17:00:00
プレスリリース発表元企業:福山市役所

みまもり訪問サービス
ばらの花

 家族の安心安全を思いやる気持ちを応援します

 備後圏域連携協議会(福山市、三原市、尾道市、府中市、世羅町、神石高原町、笠岡市、井原市)と日本郵便株式会社中国支社が締結した「地域における協力に関する協定」に基づき、備後圏域の郵便局と協力して実施している高齢者見守り施策を充実させるものとして、ばらのまち福山応援寄附金(ふるさと納税)の記念品として、郵便局の「みまもり訪問サービス」を実施します。
本サービスを活用して、福山市出身者が家族の安心安全を思いやる気持ちを応援し、さらに寄附者に「ばらの花」を贈ることで福山らしさも発信していきます。

開始日:2018年(平成30年)6月1日
記念品:みまもり訪問サービスとばらの花(プリザーブドフラワー)
寄附金額の区分:65,000円

※みまもり訪問サービスとは
 月に1回(6か月間)、郵便局社員などが、大切な家族宅へ直接訪問し、みまもりをサポートするサービスです。会話の中で、最大10項目の生活状況を確認し、ご家族へご連絡します。

ばらのまち福山応援寄附金(ふるさと納税)について、詳しくはこちら
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/jouhou-hasshin/109542.html

【本リリースに関するお問い合わせ先】
福山市役所(市長公室 情報発信課) 
TEL:084-928-1135
(受付時間 平日8:30~17:15)
お問い合わせはこちらから
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/form/detail.php?sec_sec1=5&inq=03&check

https://www.zaikei.co.jp/releases/635858/

第2 研修会情報・執筆情報

 《1》関与先様向研修会

 弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。

 現在のところ、相続税贈与税セミナー日程は未定です。

 なお、本年は、1月の改正税法セミナーの他に、6月に平成30年度税制改正対応の事業承継税制セミナーを開催しました。

 この事業承継税制セミナーについては、関与先様には、研修資料と当日音声データをお渡しさせて頂くことが可能です。必要な方はお声がけ下さい(関与先様限りの利用とさせて頂く点ご了承下さい)。

 《2》外部研修会情報

 何故か10月にセミナー講師が集中することになりました。皆様にはご迷惑をお掛けしますが、どうかご理解のほど、宜しくお願いします。

1)FICセミナー 役員給与・役員退職給与

 3月に発刊した中央経済社「役員給与」のご縁で、一般社団FICで、主として会計事務所の所長・職員向けにセミナーを開催させて頂くことになりました。

 10月2日火曜 東京会場  小林磨寿美税理士との講演
 10月9日火曜 名古屋会場 濱田による講演

2)府中税理士会セミナー 内容未定

 昨年に引き続き、10月11日木曜に府中税理士会での研修会講師を依頼されました。内容未定ですが、改正された民法相続編のお話をさせて頂けるようにお話を持ちかけているところです。

3)日本公認会計士協会千葉会 やや特殊な会計処理と税務調整

 TKCでご縁のある中野伸也先生からお話を頂き、10月13日土曜に、千葉商工会議所 第1ホール(千葉中央ツインビル2号館14階)にて、公認会計士千葉会会員向けの研修を行わせて頂きます。

 テーマは、無償増減資、自己株式、組織再編等の資本等取引についての会計処理とその税務調整の具体的な書き方を予定しております。

 《3》執筆情報

1)週間税務通信(税務研究会)で月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会のメンバー(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。

 6月では、下記が掲載されました。

「実例から学ぶ税務の核心<第21回> 法人税法22条4項と22条の2 (税務通信3510号  2018年06月11日)

 法人税法は、平成30年度税制改正で、上場企業向けの収益認識会計基準への対応を図り、心臓部の規定となる22条を改正するとともに、22条の2を新設しています。これらの改正内容と影響を解説しています。

 税理士及び上場企業経理向けですが、機会があれば是非お読み頂ければ幸いです。

 なお、7月もこの続きで、改正された法人税基本通達の関連通達についての記事が掲載予定です。

第3 その他

 《1》なるほどと思った記事・ブログ・書籍

1)リファラル採用における「ごめんねご飯制度」

 そもそもリファラル採用って言葉を知らなかった。
 従業員からの紹介制度なのですね。


リファラル採用で成功している会社は何が違うのか 社員が紹介したくなる環境のつくり方
2018年2月28日のログ
スピーカー
株式会社SmartHR 代表取締役CEO 宮田昇始 氏
株式会社おかん 代表取締役CEO 沢木恵太 氏

【モデレーター】
株式会社Emotion Tech 代表取締役 今西良光 氏

 (略)

宮田昇始氏(以下、宮田) パッと思い浮かんだものが2つあります。1つが、紹介したはいいものの、紹介した人が選考に落ちちゃって気まずいというもの。従業員から言われたこともありました。

 さっきもちらっとご紹介したんですけれども、もしダメだった場合にも、「ごめんねご飯制度」というものがありまして、選考に落ちちゃった場合にもご飯に行くお金を、1回につき2万円補助して、それで少し気まずさを解消してくださいということはやっています。

 (略)

今西 ちなみに、(選考に落ちた場合も)2万円支給しますと。それ、すごくいい仕組みだと思います。

 (略)

 今後も引き続きやっていきましょうみたいなかたちで。採用したい友人とご飯行くお金をリファラルご飯制度として、1回につき2万円支給、紹介して入社してくれたら30万円プラス、もし不採用なら「ごめんねご飯制度」を上限2万円で支給といったようにしていました

 (略)

https://logmi.jp/289519


 なかなか面白そうな制度という感じです。