●2017年07月末日用事務所だより
第1 税務・会計・法務情報
《1》民法改正の流れについて
民法債権法の改正が先の国会で成立しました。
3年後の施行を目指しているそうです。
時効の概念が大きく変わる等、各種契約実務が見直しになりそうです。
このあたり、万人に関わる話です。
とりわけ、アパマン経営関係はご注意頂きたい点があります。
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│賃貸借の連帯保証契約で、保証人が個人なら、│
│書面で合意しないと不可になるそうです。 │
└─────────────────────┘
この場合、保証契約そのものが無効になるのだとか。
これまでの通常の連帯保証条項だと、まず無効になるだろうと。
(「民法改正の知識」平成29年4月17日(月)講師:江口正夫弁護士より)
┌─────────────────────┐
│アパマン経営の皆様は、 │
│契約書の雛形を変更するのが必須のようです。│
└─────────────────────┘
各ハウスメーカーの研修会などが、今後開催されると思います。
きちんとフォローアップされておくことが大事でしょう。
(弊所では、特に雛形等を持っておりません、ご容赦下さい)
また、民法相続編の改正も、加速化してきました。
来年には、国会に出てくるような話です。
配偶者の居住保護のための制度を設けるとか。
自筆証書遺言の目録をワープロOKにするとかの取り組みがあります。
今後の議論の流れに注意しておきたいところです。
《2》平成29年度路線価公開
東京はバブル期を超えたとの報道です。
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路線価 銀座がバブル期超えて過去最高に
7月3日 11時25分
1平方メートル当たりの土地の評価額「路線価」が3日公表され、東京オリンピック・パラリンピックに向けた再開発などを背景に、東京の銀座は4032万円まで高騰し、バブル期を超えて過去最高額となりました。また全国の平均も2年連続で上昇しました。
(略)
首都圏で中古マンションを販売している不動産会社の担当者は「東京湾岸部では新築のタワーマンションの価格高騰に需要が追いつかず、空室が目立ち始めている。その影響で、中古マンションの価格も弱含んでいて、全体的に価格の上昇幅が縮小し、値下げせざるをえない物件も出てきている」と話しています。
専門家「東京に一極集中」
銀座をはじめ東京の都心部で路線価の上昇が目立ったことについて、不動産調査会社「東京カンテイ」の高橋雅之主任研究員は「全国の平均は上昇したが、都市圏や観光客が増えたエリア以外の地方圏は下げ止まっていない。今回は東京に一極集中という印象を抱く。都市部での地価上昇は外国人観光客の増加やマイナス金利の導入によって、商業施設や宿泊施設の開発が相次いだことが要因と見られ、外国人が集まる銀座やビジネス拠点として変貌を遂げる虎ノ門エリアなどは今後さらに地価の上昇が見込まれる」と分析しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170703/k10011039821000.html
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財産評価基準書
http://www.rosenka.nta.go.jp/
平成29年分(最新)から平成23年分まで。
都合7年分見ることができます。
《3》「法定相続情報証明制度」リーフレット(津地方法務局)
「法定相続情報証明制度」リーフレット(津地方法務局)
http://houmukyoku.moj.go.jp/tsu/page000172.pdf
これがわかりやすいんじゃないかと。
特に下記。
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平成29年5月29日(月)から,全国の登記所(法務局)において,各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」がスタート!この制度を利用することで,各種相続手続で戸籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなります(※)。
※ 相続手続で必要となる書類は,各機関で異なりますので,必要な書類は提出先となる各機関にご照会ください。
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制度の本質は「この制度を利用することで,各種相続手続で戸籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなります」なのでしょうね。
《4》デンソー 追徴課税見直しか 海外子会社巡り、最高裁(毎日新聞)
高裁藤山裁判長の判決は、覆るので有名なのですが。
また、覆る可能性が高いようです。
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デンソー 追徴課税見直しか 海外子会社巡り、最高裁
毎日新聞2017年7月25日 21時05分(最終更新 7月25日 21時05分)
シンガポールの子会社の所得を巡り、名古屋国税局から申告漏れを指摘された自動車部品メーカー大手「デンソー」(愛知県刈谷市)が約12億円の追徴課税処分取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は25日、弁論を9月26日に開くと決めた。通常、2審の結論を変更する際に弁論を開くため、追徴課税を認めた2審判決を見直す可能性がある。
(略)
1審・名古屋地裁判決は、子会社の主な業務は株式保有でなく、関連会社の管理などだったとするデンソーの主張をほぼ認め、課税処分を取り消した。2審・名古屋高裁は、株式保有は単に株を持つということだけでなく関連会社の管理業務も含まれるとして、追徴課税を支持する逆転判決を言い渡した。(共同)
https://mainichi.jp/articles/20170726/k00/00m/020/111000c
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移転価格税制は、国の外に税金が持って出られるために。
日本国内の関係会社の税務調査と全く違う厳しさがあります。
最近は、福山税務署にも国際担当部門がありますので。
もはや、他人事ではなくなってきました。
第2 研修会情報・執筆情報
《1》関与先様向研修会
現在のところ、特に予定はありません。
なお、弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。
《2》外部研修会情報
10月に府中税理士会で研修講師を務める予定です。
内容等は未定です。
《3》執筆情報
1)週間税務通信で月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会のメンバー(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。
7月では、下記が掲載されました。
「実例から学ぶ税務の核心 <第11回> 平成29年度税制改正 組織再編成関係の改正①」(3465号 2017年07月10日)
2)税大論叢での引用雑誌・書籍
税大論叢に、執筆した雑誌・書籍が引用されていることが分かりました。
「自己創設営業権の時価評価について」角田享介(税務大学校研究部教授)
http://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/80/03/01.pdf#page=49
「相続税法第9条の「みなし贈与」について-資本取引等を巡る課税関係を中心として-」古谷勇二(税務大学校研究部教育官)
http://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/85/02/01.pdf#page=81
私自身のメモとして、残しておきます。
《4》書籍情報
1)マンガでわかる!民法の大改正 契約法関係の改正内容を建築・不動産取引で理解する
マンガでわかる!民法の大改正 契約法関係の改正内容を建築・不動産取引で理解する
黒松百亜 しまだいさお
https://www.amazon.co.jp/dp/4863585098/
マンガですから、なかなかわかりやすかったです。
建築・不動産取引関係に特化していますので、業界の方は読んでみてはいかがでしょうか。
2)「不動心論」大山康晴
「不動心論」大山康晴
KKロングセラーズ 2017/5/19
https://www.amazon.co.jp/dp/4845450240
将棋の十五世名人大山康晴先生が不動心について語ると。
当然ながら、座右の銘である「忍」の心を語るわけですが。
単なる道徳論ではなく、稀代の勝負師の言葉と感じさせます。
もちろん、本人が一から書いたとは思えませんし。
恐らくは、河口先生か誰かの手によるものなのでしょう。
しかし、ご本人の口から出た言葉なのだろうなと感じることが幾つか。
まさに第一人者ならではの洞察が出てきます。
この本で特に感動したのは、「訂正力」という言葉です。
体力が落ちていると、訂正力が落ちてしまう、というのです。
勝負の世界は、最後で間違えた方が負けると言います。
一局をノーミスで終わるのはまず不可能と。
米長邦雄永世棋聖がかつて喝破した通り。
であれば、いかに訂正力を発揮しあうかが、勝負の中心になる。
なるほどです。
かつて、ゴルフのプロたるゆえんは、リカバリーショットだと。
誰かがが言っていたことに通じます。
このあたり読むだけでも、買いの本だと思います。
あと、我慢できるのも才能だというのも、納得です。
技術でなく、性格を育てることの意義は、まさに現代的テーマでしょう。
子供の教育で大事なのは、我慢することを教えることではないか。
最近、そんな気がします。
大山先生が亡くなられたのは、平成4年のことですから。
既に、もう25年が経過しています。
たぶん、かつて出た本の再刊行版だと思うのですが。
お勧めです。