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●2016年11月末日用事務所だより


●2016年11月末日用事務所だより

第0 弊所では朝の研修と水曜日ノー残業デーを実施しています

 弊所では、
┌──────────────────────────┐
│朝8:55から9:15頃まで、職員の研修時間を設けています。│
└──────────────────────────┘
 会計事務所にとって、研修は仕入れに該当します。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解・ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。
┌────────────────────┐
 また、│毎週水曜日はノー残業デーとしております。│
└────────────────────┘
 往査日程の場合もありますが、可能な限り、定刻で帰宅できるように、皆様のご協力、ご配慮を頂ければ幸いです。

 お願いばかりで恐縮ですが、職員の働きやすい環境を維持することが、お客様へのサービス向上に繋がるとの理解です。どうか、ご海容のほど、宜しくお願いします。

第1 税務・会計・法務情報

 《1》個人所得税の振替納税

 個人所得税については、指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法があります。振替納税は、申告所得税及び復興特別所得税や個人事業者に係る消費税及び地方消費税の納税で利用可能です。振替納税をご利用になると、金融機関又は税務署に出向かなくても自動的に納付ができます。

 本来の納付期限より、1月程度後に引き落としになりますので、有利でもあります。未利用の方は、利用をご検討下さい。
┌─────────────────────────────┐
│ 参考) │
│ ・申告所得税及び復興特別所得税[平成28年分] │
│  振替日 平成29年4月20日(木) │
│ │
│ ・消費税及び地方消費税(個人事業者)[平成28年分] │
│  振替日 平成29年4月25日(火) │
│ │
│ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/nofu-shomei/nofu/01.htm │
└─────────────────────────────┘
 ただし、当然ですが、引き落とし時期における預貯金残額を確認しておく点だけ、注意が必要です。

 この振替納税の利用開始に当たっては、銀行届出印を押印した口座振替依頼書はがきを提出する必要があります。確定申告書の提出と同時期に提出すれば、確定申告の納税分から利用可能になります。

【入力用】預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/nozei-shomei/pdf/24100020-4.pdf

【入力用】預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書(記載要領)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/nozei-shomei/pdf/24100020-5.pdf

 なお、
┌──────────────────────────────┐
│これまでは、振替納税の領収証はがきが送られてきていましたが、│
│平成29年1月から、この領収証はがきの送付がなくなります。 │
└──────────────────────────────┘
 会計検査院指摘によるものだそうです。ご注意下さい。

 最後に、振替納税を利用している場合で、転居等により申告書の提出先税務署が変更となった方は、新たに振替納税の手続が必要になります。この点もご注意下さい。

 《2》平成29年分より源泉徴収税額表が変わります

 給与等の源泉徴収税額を求めるテーブルが、来年、平成29年1月以後の源泉徴収分から変更されています。

平成29年分 源泉徴収税額表
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2016/01.htm

 なお、 源泉徴収票は、従来は、A6サイズでしたが、今年の平成28年分よりA5サイズになります。

 《3》医療費控除のためのエクセル集計表

 医療費控除は、年末調整ではできず、確定申告が必要になります。
 その際には、領収証を提出するだけでなく、集計明細を添付します。

 この集計表については、国税庁がExcelのフォームを作成しています。
 手書き集計をする代わりに、お使いになってみてはいかがでしょうか。

医療費集計フォームのダウンロード(国税庁)
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/h27_iryohi-download.htm
参考)
医療費を支払ったとき(パンフレット「暮らしの税情報」(平成28年度版))
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/04_1.htm

 《4》平成29年度税制改正関係報道

1)タワーマンション課税、40階建てなら最大10%の差 固定資産税見直し
2016.11.27 21:03更新

http://www.sankei.com/life/news/161127/lif1611270031-n1.html

◆「新たな課税方式は、20階建て以上の新築マンションが対象となる見通し。1棟全体の税額は変えず、階ごとに差がつくようにして、高層階は増税、低層階は減税する。」そうです。

2)海外移住者の課税強化へ…富裕層の税逃れを防止
2016年11月25日 16時41分
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161125-OYT1T50099.html?from=ytop_main2

◆「現在は、親などの「被相続人」と子供などの「相続人」がともに5年を超えて海外に住めば、海外にある資産に相続税や贈与税がかからない。これを「10年超」に延長する。」という改正です。

3)配偶者控除の年収制限、1220万円まで緩和措置 政府・与党が調整
2016.11.25 14:05更新
http://www.sankei.com/economy/news/161125/ecn1611250015-n1.html

◆実は、今回の改正の本当の狙いは、配偶者控除の拡大ではなく、富裕層には使えなくすることです。

4)自民税調 被災者に対する税制面の支援恒久化の方針
11月24日 17時01分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161124/k10010782901000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_003

◆標題は、当然とも思えます。

5)政府・与党、森林環境税先送りへ 29年度税制改正 自治体反発「二重課税」 消費増税再延期も影響
2016.11.24 07:38更新
http://www.sankei.com/economy/news/161124/ecn1611240008-n1.html

◆県によってはすでに独自課税している場合があり、調整がいろいろあるようです。

6)法人税申告、先延ばしの「特典」…総会7月なら
2016年11月21日 06時00分

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161120-OYT1T50136.html?from=ytop_ylist

◆納税は延長がないので、実は、あまり意味がないという説もあります。

7)「都市農業」を促進 29年度税制改正で生産緑地の要件緩和へ 500平方m超→300平方m超   
2016.11.4 05:00更新
http://www.sankei.com/politics/news/161104/plt1611040003-n1.html

◆都心部で相続により農地を取得された方は、要注目です。

8)ITやロボ導入の中小は3年間税半減 固定資産特例を拡大
2016.11.18 05:00
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161116-OYT1T50115.html?from=ytop_main7

 注目されていますが、証明書制度がどうなるのでしょうか。

9)中小企業の事業承継税に猶予要件 連鎖倒産防止に「雇用8割維持要件」を緩和 29年度税制改正で政府・与党
2016.11.17 08:00更新

http://www.sankei.com/economy/news/161117/ecn1611170014-n1.html

◆今度こそ、使いやすい制度になるのかどうかですが。
 免除制度ではないので、お客様に勧めるのはためらわれます。

 《5》消費税率引き上げ延期の税制改正法成立

消費税率引き上げ延期の税制改正法成立
11月18日 10時49分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161118/k10010773701000.html

◆ようやく、消費税率アップ据え置きの法律が通りました。

第2 研修会情報・執筆情報

 《1》関与先様向研修会

 11月15日に、例年通り、相続税・贈与税セミナーを開催しました(福山商工会議所8階のTKC福山SCGサービスセンター会議室)。

 《2》外部研修会情報

1))しまなみ信用金庫躍磋(やっさ)塾

 しまなみ信用金庫様の若手経営者向け研修会である躍磋(やっさ)塾第4回(平成28年12月6日しまなみ信用金庫福山営業部開催)にて講師を務めます。テーマは「税務調査の受け方」です。

2)中国税理士会福山支部青年部

 中国税理士会福山支部青年部法規研修の講師を務めます(平成28年12月9日金曜・場所未定)。テーマは「税理士業務で必要なパソコン知識について」です。

 《3》執筆情報

1)「むずかしい税法条文 攻略本」

 中央経済社様から、難解な税法条文に焦点を絞って、税理士などの専門家向けの書籍を執筆しました。大阪勉強会のメンバーによる執筆で、11月初頭に発刊されました。現在、amazonの税務関係ジャンルでは、好調なセールスが続いているようです。

2)「個人間の利益移転の税務(平成28年改訂版)

 大蔵財務協会様から、「個人間の利益移転の税務」の三訂版に当たる平成28年改訂版を発刊しました。初版・第二版と同様、小林磨寿美先生との共著です。

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INET用

 《1》重要報道

1)脱税情報等

(1)パナマ文書 国税庁長官 租税回避に厳しい姿勢で臨む方針
11月27日 5時08分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161127/k10010785741000.html

◆現在、各種資料と照合中だそうです。

(2)パナマ文書 名前記載の日本人 700人余に
11月27日 5時05分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161127/k10010785751000.html

◆NHKの報道によれば、税務の問題だけでなく、反社会的勢力による利用の問題があるようです。

(3)「生活苦しく控除受けた」「先輩議員から教わった」 党支部に都議自ら寄付、税優遇 2016年11月24日16時30分

http://www.asahi.com/articles/DA3S12674470.html

党支部に自ら寄付、税優遇 自民・民進の5都議 15年分報告書
2016年11月24日16時30分

http://www.asahi.com/articles/DA3S12674402.html

◆政治家が、自分の支援団体に直接寄附するのではなく、政党に寄附して、そこから支援団体に資金を支出する手法です。直接寄附租税回避行為として、今後、問題が拡大する可能性があります。

(4)脱税2社の実質的経営者に有罪判決
2016.11.22 23:08更新

http://www.sankei.com/west/news/161122/wst1611220082-n1.html

◆「賃貸住宅サービス」関連です。

(5)脱税 太陽光関連会社を起訴 名古屋地検
毎日新聞2016年11月18日 20時24分(最終更新 11月18日 20時24分)
http://mainichi.jp/articles/20161119/k00/00m/040/065000c#csidx4178aa85f19c15e96ce607ecc1f3444

◆下記の事件で、架空外注費による脱税です。

<名古屋国税>法人税6500万円脱税容疑で告発
毎日新聞 11/1(火) 9:00配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161101-00000017-mai-soci

(6)外れ馬券訴訟で請求棄却 経費算入巡り横浜地裁
2016年11月09日 13時39分

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/287924

◆事案によって、結論が異なっているため、各事案の違いの分析が必要になりそうです。
(7)消費税さらに11億円脱税、前社長を容疑で再逮捕
2016年11月09日

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20161109-OYO1T50002.html

◆別件逮捕済みのようです。

(8)たばこ店経営者を1億円超の“所得隠し”で告発(2016/11/09 11:59)

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000087401.html

◆JTからの協賛金を隠していたととされました。
 かなり有名なスポットだったようです。

(9)マンション7階→9階建てに違法増築 是正措置命令に従わず 大阪・池田市
2016.11.8 18:57更新

http://www.sankei.com/west/news/161108/wst1611080071-n1.html

◆違法建築ですが、住民のいる現状ながら、建築基準法違反で、是正命令を出したようです。

(10)脱税2390万円、コールセンター社長を容疑で逮捕 名古屋地検
毎日新聞2016年11月9日 中部朝刊

http://mainichi.jp/articles/20161109/ddq/041/040/003000c

◆売上の簿外口座入金での除外だったようです。

(11)脱税調査 金の密輸事件が巧妙化、脱税額など過去最高に
11/05 12:59

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00340982.html

◆当然、税務調査でもマークされています。

(12)


2)法律関係

(1)「確定拠出年金」の公務員、主婦への対象拡大 「知っている」のは3割だけ 日生が調査
2016.11.25 17:59

http://www.sankeibiz.jp/business/news/161125/bse1611251759007-n1.htm

◆「確定拠出年金は個人で年金資産を運用する制度。このうち「個人型」の対象は自営業者などに限られていたが、法改正に伴い、来年1月から公務員や専業主婦にも拡大される。」ということを、知らない人がかなりの割合いるようです。

(2)外国人技能実習の法律成立 人手不足の被災地で歓迎の声
11月18日 17時27分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161118/k10010774171000.html?utm_int=news-business_contents_list-items_005

◆良い方向に制度が動くことを祈りたいです。

(3)相続財産管理人の弁護士、2166万円横領容疑
2016年11月19日 21時50分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161118-OYT1T50054.html?from=ytop_ylist

◆専門家による横領が絶えません。

(4)節税目的の養子、有効か=相続めぐり初判断へ-最高裁

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016110400823&g=soc

◆12月20日弁論だそうで、非常に注目されます。

(5)残業規制へ、17年中に労基法改正案を国会提出の公算=関係筋
Business | 2016年 11月 7日 18:29 JST

http://jp.reuters.com/article/overtime-idJPKBN1320X5?il=0

◆「現行法では残業規制の例外職種となっている運転手や建設労働者にも、残業上限を適用することも検討している。」とのことで、影響は大きそうです。


3)医療・介護関係

(1)介護保険制度改正へ“見直し案” 厚労省
11月25日 4時23分

急速な高齢化で介護にかかる費用が増え続けるなか、厚生労働省は、介護保険制度について現役世代と同程度の所得がある高齢者を対象に介護サービスの自己負担の割合を今の2割から3割に引き上げることなどを盛り込んだ見直しの案をまとめました。

 (略)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161125/k10010783501000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_002

◆いよいよ、介護保険も3割負担の世界が生じます。

(2)社会福祉法人元理事長らが領収書偽造の疑いで逮捕
更新:11/21 09:40

http://www.mbs.jp/news/kansai/20161121/00000010.shtml

◆最近、社会福祉法人絡みの問題が続いて報道されています。

(3)アダルトDVDに高級車レクサス、婦人服まで…不正流用1・4億円、社福理事長一族の乱脈経営
2016.11.4 05:30更新

http://www.sankei.com/west/news/161104/wst1611040005-n1.html

◆過去の漢字検定協会を彷彿させますが、よくある話です。
 今後、社会福祉法人のチェックはより厳しさを増すでしょう。


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 《2》事業承継の考え方

 事業承継で大事なことは何でしょうか。
 ヒト・モノ・カネの全てが大事ですが、税理士の立場から言えば、優先順位はやはり「ヒト・モノ・カネ」です。

 まず、ヒトで言えば、後継者の問題が一番です。いればいいというのではなく、資質とやる気が必要です。従業員がいる場合には、まとめる力も要求されます。どんなに素晴らしい事業でも、後継者に恵まれなければ、よそに売るか廃業しかない場合もあります。この見極めを間違えると、後々みんなが不幸になります。
┌─────────────────┐
 │ヒトの問題=一番は、後継者の問題 │
 └─────────────────┘
 そして後継者を見定めたら、後はいかに育てていき、バトンタッチするかです。経営者にはその地位でしか見えない「視角」というのものがあります。社長の席に座って初めて見えることがあります。よく「もう息子に仕事は大半任せているから大丈夫だ」という社長さんがおられますが、これは案外危険です。
 もっと言えば、新経営者となった後継者には様々な誘惑が待っています。このような誘惑を乗り越えて、うまく一人立ちさせるためには、口出しにならない範囲で現経営者が見守っていく必要があります。新旧経営者が仲違いして失敗する事業承継は少なくありません。お互いが相手を思いやって辛抱していけるか、というのもとても大事なことです。
 また、後継者だけが大事なわけではありません。後継者以外の人間が子供達にいる場合には、後の相続問題などの火種が起きないよう配慮していく必要があります。
┌────────────┐
 │後継者以外への配慮が重要│
 └────────────┘
 この点で、重要なことがあります。敢えて言いますが、
┌─────────────────────┐
 │「子供同士兄弟(姉妹)仲良く」は幻想です。│
 └─────────────────────┘
多くのケースで、「ウチだけは」との思いから、失敗が見られます。  次に、モノですが、これはまず事業そのものがやっていけるのかどうか、です。事業の将来性がないのであれば廃業あるいは転業を考える必要があります。この際に、現経営者と後継者が協力して方向性を模索するためには、どちらか任せにしないことが極めて重要です。
 ┌───────────────────┐
│モノの問題=事業の将来性の見極めが重要│
└───────────────────┘
 そして、事業承継者に承継させるべき財産とそれ以外との色分けが大事になります。事業を存続させるためには、事業用財産を取得させることが不可欠です。会社を運営している場所の不動産などもさることながら、多くの場合、株式の問題が大きく立ちはだかります。過去に株主を分散している会社においては、特に問題が生じやすいと言えます。
┌─────────────────────────────┐
 │事業支配ツールとしての株式をいかに事業承継者に取得させるか│
 └─────────────────────────────┘
 既に後継者が決まっているのに、遺言を書いていないのであれば、すぐに用意すべきでしょう。
┌─────────────────────┐
 │遺言は何度でも書き換えられます。 │
 │いざという時の優先順位を考えるべきです。 │
 └─────────────────────┘
 そして、カネです。資金繰りを含めて財務体質の弱い会社では、経営者が交代すると金融機関の融資に対する姿勢が変わることもないわけではありません。儲かる会社でなければ、金融機関は融資をしない時代です。

  カネの問題=



 《4》「経営者保証に関するガイドライン」の策定


平成25年12月5日
各 位
経営者保証に関するガイドライン研究会
「経営者保証に関するガイドライン」の策定について(経営者保証に関するガイドライン研究会)

 「経営者保証に関するガイドライン研究会」(座長:小林信明 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)は、中小企業・小規模事業者等(以下「中小企業」という。)の経営者による個人保証(以下「経営者保証」という。)の契約時と履行時等における課題への解決策を具体化するため、本年8月から、中小企業団体及び金融機関団体の関係者、学識経験者、専門家等の委員により精力的に検討を行ってきました。
 今般、検討の成果として、経営者保証に関する中小企業、経営者及び金融機関による対応についての自主的自律的な準則である「経営者保証に関するガイドライン」(資料1PDFファイルを開きます。)と本ガイドラインに関するQ&A(資料2PDFファイルを開きます。)を取りまとめました。

 本ガイドラインは、保証契約時等の対応として、(1)中小企業が経営者保証を提供することなく資金調達を希望する場合に必要な経営状況、(2)やむを得ず保証契約を締結する際の保証の必要性の説明や適切な保証金額の設定に関する債権者の努力義務、(3)事業承継時等における既存の保証契約の適切な見直し等について規定しています。
 また、保証債務の整理の際の対応として、(1)経営者の経営責任の在り方、(2)保証人の手元に残す資産の範囲についての考え方、(3)保証債務の一部履行後に残った保証債務の取扱いに関する考え方等について規定しています。

 中小企業や金融機関を始めとする経営者保証の関係者による本ガイドラインの積極的な活用により、中小企業、経営者及び金融機関の継続的かつ良好な信頼関係の構築・強化とともに、各ライフステージにおける中小企業の取組意欲の増進が図られ、ひいては中小企業金融の実務の円滑化を通じて中小企業の活力が一層引き出され、日本経済の活性化の一助となることが期待されます。
以上



経営者保証に関するガイドラインPDFファイルを開きます。
http://www.zenginkyo.or.jp/news/entryitems/news251205_1.pdf
経営者保証に関するガイドラインに関するQ&A
http://www.zenginkyo.or.jp/news/entryitems/news251205_2.pdf



 《2》出張者に支給する日当の考え方

 時折、お客様から質問がある事項で、出張日当の話があります。

 「出張手当は幾らまでいいの?」との質問です。
 しかし、これに答えるには、前提の確認が必要です。

 つまり、「御社では、日当とはどのようなものと考えていますか?」ということです。
 A:交通費・宿泊費などを全額会社負担する場合の日当
 B:交通費・宿泊費などを全額個人負担する場合の日当

 このAとBが同じの筈がありません。
 どこまでを「日当」と考えているのか、そこがまず確認すべき点になります。

 税務では、この日当について、
┌────────────────────────────┐
│「食事代その他の雑費的な費用に充てるために支給するもの」│
└────────────────────────────┘
 と考えています。

 つまり、その他諸々雑費で旅行で生じるであろう費用実費の弁償です。


 特にご注意頂きたいのは、交通費や宿泊費を会社が全額負担する場合。
 そこに出される「日当」にで支弁されるべき諸経費は何があるか、です。

 なお、日当以外に食事手当を出すのはどうかですが。
 これは合計で適正額かどうかを判断することになります。




○住宅取得資金の頭金贈与が落とし穴に(平成27年度税制改正)

 従来から、直系尊属から卑属への住宅取得資金贈与特例は存在していました。ただし、いつの年分で贈与するかによって、非課税枠が変わることになっています。

 ここで、住宅取得資金贈与の基本として、重要なことがあります。
 それは、
┌────────────────────────┐
 │贈与の翌年3月15日までに引渡しを受ける必要がある │
 └────────────────────────┘
 ということです。

 その意味で、新築物件は要注意です。
 新築マンションは、特に引渡しが間に合わない悲劇が生じやすくなります。

 その基本の上で、平成27年度税制改正を理解する必要があります。
 ここで大事なことは、消費税の税率アップ時期に対応するため、
┌──────────────────────┐
 │売買契約締結時期により、非課税限度額が変わる│
 └──────────────────────┘
 ということです。

 元々、消費税法では、請負工事について、経過措置を用意していました。
 売買契約締結が平成28年9月末までなら、引渡しがその後でも8%です。

 住宅取得は、ここで駆け込みが予測されるので、消費が落ちます。
 そこを見込んで、非課税枠が前年より減ります。

 平成28年は、1月から9月までに契約すると非課税枠が1200万円。
 前年平成27年の1500万円から、非課税枠が減らされます。

 ただ、消費税率が10%になる平成28年10月以後の契約が減ると。
 景気悪化に繋がりますので、10%適用枠を上乗せすることにしています。

 つまり、平成28年10月から翌年9月までは、非課税枠が2通りになります。

 [1]消費税率8%で取得できた場合には、非課税枠1200万円
 [2]消費税率10%で取得する場合には、非課税枠4200万円

(失敗例1)
 平成27年12月にまだ完成前の新築マンションの売買契約をした。契約時に親から頭金の贈与を受けたが、翌年3月15日までにマンションが完成せす、その後平成28年5月に引渡しを受けた。

→申告期限で引渡しが未了ですから、平成27年分の頭金贈与には、住宅取得資金贈与特例を使えず、平成28年分の贈与にだけ使うことになります。しかも、非課税枠は、平成27年の1500万円から、平成28年は1200万円に下がっています。

(失敗例2)




 一番危険なミスは、契約締結日の手付金を贈与する場合に生じやすい。
 例えば、平成28年中の契約締結は、非課税限度額が最低になるからだ。

 手付金について、贈与特例を使うかどうかは思案が必要ですね。
 また、贈与の日と契約締結日は別物だということをよく意識すべき。

 契約だけ、非課税限度額が大きい一番良いタイミングで結んでおいて。
 贈与特例は、最後の引渡し時残金支払時に使うなどを考える必要がある。

 何も考えずに手付金贈与するのだけは、ちょっと待ってねと。
 お客さんに伝えておく必要がありそうです。

 なお、記事そのものは、サンプルがネット掲載されている。
 http://www.lotus21.co.jp/ta/1501ldtu/579_09.pdf

(税理士・公認会計士 濱田康宏)