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●2015年12月末日用事務所だより


●2015年12月末日用事務所だより

第1 税務・会計・法務情報

 《1》平成28年度税制改正大綱が発表されました

 12月16日に与党より、平成28年度税制改正大綱が発表されました。既に、閣議決定も行われています。

 例年であれば、1月に財務省による要綱が出され、1月終わりないし2月初頭に、法律案が国会に上程されることになります。3月終わりの国会承認を通過して、政令・省令が出てくるのは4月以後となります。

 さて、今回の改正は、おおむね小粒の改正であったと評価されています。
 新聞報道で話題になったもののいくつかは、導入が見送られています。

 ・遺言控除(見送り)
 ・節税スキーム提案書開示義務(見送り)
 ・3世代同居による小規模宅地特例の新設(見送り)

 代わりに、幾つかの改正がありました。国際税務や車体課税・マイナンバー以外の中で目についたものについて触れます。

1)消費税の軽減税率導入

 (略)

2)法人税関係(税率・欠損金)

 税率引き下げと欠損金の控除期間の見直しがありました。
 ただし、かなり複雑な経過措置がつくことになります。

 これに伴って、地方税関係が連動して変わっています。
 外形標準事業税適用の関与先様には、大きな影響がありそうです。

3)法人税関係(その他)

(1)措置法見直し

 生産性向上設備投資促進税制は、予定通りで終了することが明確化されました。
 やるなら早い方がいいよ、という措置ですので、やむを得ないところです。

(2)減価償却
┌──────────────────────┐
│建物附属・構築物が、定額法に一本化されます。│
└──────────────────────┘
 つまり、定率法がなくなるということです。
 これは、少しサプライズだったかもしれません。

 なお、リース期間定額法と取り替え法は今まで通りです。

(3)交際費の特例

 廃止の噂がありましたが、そのまま2年間延長になりました。

(4)環境関連投資促進税制

 太陽光発電は、自家用のみで売電用は対象外とされました。

(5)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 年間300万円までに限り、30万円未満の減価償却資産を、1事業年度で損金に落とすことができる、中小企業者限りの特例措置ですが。

 2年間延長になる代わりに、対象となる法人から、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人が除外されました。
┌────────────────────────────┐
│常時使用する従業員の数が1000人超の法人は要注意です。│
└────────────────────────────┘

4)固定資産税の軽減(中小企業向け)

 赤字企業でも設備投資意欲を持たせる狙いです。


(2)中小企業の生産性向上に関する法律(仮称)の制定を前提に、中小企業者等が、同法の施行の日から平成31年3月31日までの間において、同法に規定する認定生産性向上計画(仮称)に記載された生産性向上設備(仮称)のうち一定の機械及び装置の取得をした場合には、当該機械及び装置に係る固定資産税について、課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする措置を講ずる。

(注1)上記の「中小企業者等」とは、次の法人又は個人をいう。
① 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
② 資本若しくは出資を有しない法人の場合、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
③ 常時使用する従業員の数が1,000人以下の個人

(注2)上記の「一定の機械及び装置」とは、次の①から③までのいずれにも該当するものとする。
① 販売開始から10年以内のもの
② 旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上するもの
③ 1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの
(大綱より)

┌───────────────────────────┐
│文中にある「中小企業の生産性向上に関する法律(仮称)」│
│の制定が前提です。 │
└───────────────────────────┘
 また、期間限定措置であり、「認定生産性向上計画(仮称)に記載された生産性向上設備(仮称)」が対象です。

 法律の制定を待って、「この計画を作成・提出しませんか」という提案が、各種機械装置の販売業者から行われるのでしょう。

5)消費税の租税回避防止措置

 端的に言えば、下記新聞記事のとおりです。

 (略)

 今後、「消費税還付できますよ」という不動産業者・建設業者の提案がかなり減るのではないかと想像されます。

6)個人所得税関係

 (略)

第2 研修会情報・執筆情報

 《1》関与先様向研修会

1)贈与税・相続税関係のセミナー

 平成27年12月2日水曜午後エフピコリムにて、関与先様向けの相続税・贈与税セミナーを開催しました。

2)改正税法セミナー

 平成28年2月上旬の開催を検討中です。

 《2》外部研修会情報

1)しまなみ信用金庫

 平成27年12月3日木曜夕方、三原のしまなみ信用金庫本店で、職員様向けの研修を担当させて頂きました。

 《3》執筆情報

 今月は特にありません。

第3 PC関係

 《1》バナー広告表示すると感染…PCウイルス新手口

 アップデート放置は罪ということですね。


バナー広告表示すると感染…PCウイルス新手口
2015年12月04日 00時27分

 不正なインターネット広告を見ただけのパソコンをウイルスに感染させる手口のサイバー攻撃が急増していることがわかった。

 専門家は「常にOSやソフトを最新版に更新し、脆弱(ぜいじゃく)性を放置しないことが必須」と呼びかけている。

 (略)

 利用者のパソコンには正規サイトが表示されたままで、不正広告も通常の広告と見分けがつかない。気付かないうちにウイルスを送り込まれ、パソコン側に脆弱性があると突然画面がロックされるなどし、解除の代わりに金銭を支払うよう脅されることもあるという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151203-OYT1T50185.html


第4 その他

 《1》“資生堂ショック” 改革のねらいとは

 (略)

 《2》教えます、認知症がわかる魔法のことば

 高齢化社会を迎えて、認知症の問題と正面から向き合うことは万人に課題です。
 是非、皆さんが読むべき記事だと思います。

 (略)

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INET用

 (略)