●2013年12月末日用事務所だより
第1 税務・会計・法務情報
《1》平成26年度与党税制改正大綱・財務省税制改正の大綱出ました
今年は、与党税制改正大綱だけでなく、財務省大綱も年内に出ました。
以下、「平成26年度税制改正の大綱の概要」(平成25年12月24日 閣議決定)から抜粋です。1月15日水曜ローズコムで実施する関与先様向けセミナーでご説明予定です。
■民間投資の活性化
○ 生産性向上設備投資促進税制の創設
・生産性の向上につながる設備への投資に対して即時償却又は税額控除ができる制度を創設
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│★競争力強化法の施行以後の取得・事業供用分でなければ、適用対象外です。│
│ 検討中の案件があっても、取得はまだ「待った!」です。 │
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○ 研究開発税制の拡充
■中小企業対策
○ 生産性向上設備投資促進税制の創設(再掲)
○ 中小企業投資促進税制の拡充
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│★生産性向上設備投資促進税制の要件を満たせば、│
│ 中小企業投資促進税制への上乗せがあります。 │
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■民間企業等によるベンチャー投資等の促進
○ ベンチャー投資促進税制の創設
○ 事業再編促進税制の創設
○ 既存建築物の耐震改修投資の促進のための税制措置の創設(25%特別償却)
◆多くの皆さんにはあまり影響なさそうです。
■所得の拡大
○ 所得拡大促進税制の拡充
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│★給与等支給増加割合や平均給与等支給額要件の見直しが行われます。│
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■個人所得課税
○ 給与所得控除の見直し
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│★平成28年分以後、給与所得控除の天井をを引き下げします。│
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○ NISAの使い勝手の向上
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│★流石に使い勝手悪すぎで、1年単位でNISA口座を開設する│
│ 金融機関の変更を認めることにするようです。 │
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■資産課税
○ 復興支援のための税制上の措置
○ 税負担軽減措置等
■法人課税
○ 復興特別法人税の1年前倒しでの廃止
★個人の復興特別所得税は変わらないようです。
○ 民間投資と消費の拡大
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│★大企業でも適用できる制度として、飲食のための支出の50%を損金算入│
│ する制度を作るようです。 │
│ │
│ 中小法人企業は、現行の800万円までの定額控除制度との │
│ 選択適用になります。 │
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○ 国家戦略特区
○ 地方法人課税の偏在是正
○ 復興支援のための税制上の措置
■消費課税
○ 車体課税の見直し
★軽自動車以外も何気なく上がっていたりするようです。
○ 外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し
■国際課税
○ 国際課税原則の見直し(総合主義から帰属主義への変更)
■納税環境整備
○ 猶予制度の見直し(納税者の申請に基づく換価の猶予の創設等)
○ 税理士制度の見直し(税理士の業務や資格取得のあり方などの見直し)
■関税
○ 暫定税率等の適用期限の延長及び減免税制度の対象拡充
○ 通関手続の迅速化(少額輸入貨物に対する簡易税率の適用対象の拡大(「10万円以下の貨物」→「20万円以下の貨物」))
《2》持分あり医療法人の持分なし移行制度新設へ(医療法改正・平成26年度税制改正)
平成26年度税制改正の目玉とも言われています。
平成26年度の医療法改正により、出資持分の定めのある社団医療法人を出資持分の定めのない社団医療法人とするための移行制度ができる模様です。
これを前提として、移行時の贈与税課税を、途中納税猶予を挟んだ上で、最終的には免除してしまおうという税制改正が行われるようです。
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│どの程度のハードルになるかが、最大の焦点です。│
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ただし、これまで、移行時の課税が怖い、でも特定医療法人にもなれない、社会医療法人にもなれないと悩んでいた法人には福音になるかもしれません。
ある程度内容が分かるのは、医療法改正と税制改正の成立施行する平成26年4月以後になる模様ですが、該当される法人は、今後の対応に注意していくべきです。
《3》個人保有ゴルフ会員権売却損の損益通算禁止は平成26年4月以後になる見込み
事務所便りの号外で、年内一杯との規制がされる恐れがあった、個人保有ゴルフ会員権売却損の損益通算禁止措置ですが、
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│来年平成26年3月末までの売却分は利用可能になる模様です。│
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含み損のあるゴルフ会員権は、3月末までに売却するかどうか、ご検討なさることをお勧めします。
ただし、現在の会員相場は最低に近いようで、現在は、売りが殺到して、値段が暴落しているそうです。
なお、この損益通算禁止措置は、ゴルフ会員権だけでなく、リゾート会員権などにも同様の規制が及ぶようです。
第2 研修会情報・執筆情報
《1》関与先様向研修会
1)毎年恒例の贈与税研修会を、平成25年11月6日福山土木会館で開催しました。
2)改正消費税法及び改正税法セミナーを新春の平成26年1月15日水曜午後ローズコムに開催予定です。別途ご案内済みですが、参加ご希望の方は弊所にご連絡ください。
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│特に、4月からの消費税の税率改定については、混乱も予想されます。│
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2部構成になっておりますので、改正消費税対応分だけでも聴講されますことをお勧めします。
《2》外部研修会情報
1)平成26年2月 三井住友信託銀行福山支店様の税制改正セミナー講師を務めさせて頂くことになりました。
《3》執筆情報
1)新刊書籍 改訂版を2冊大蔵財務協会から発刊しました。
●関係会社間取引における利益移転と税務(改訂版)(2013年12月12日刊)
http://www.zaikyo.or.jp/bookshop/products/product/1006
●個人間利益移転の税務 (改訂版)(2013年12月19日刊)
http://www.zaikyo.or.jp/bookshop/products/product/1013
2)雑誌掲載
(1)中央経済社 税務弘報2014年1月号の特集「さあ 経理研修 しよう!!」の中で「上場企業子会社のスケジュール」を執筆しました。連結納税採用バージョンです。
http://www.chuokeizai.co.jp/tax/201401/zeimukoho201401.html
(2)中央経済社 旬刊経理情報平成25年12月20日号に、
○誌上座談会税務の核心「通則法改正の影響と近年の傾向をつかむ 税務調査最前線」(濱田康宏/岡野訓/内藤忠大/白井一馬/村木慎吾)
が掲載されました。
旬刊経理情報12月20日号(No.1367)
http://www.keirijouhou.jp/1367/index.html
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INET用
《1》重要報道
1)脱税報道等
(1)株売却の税10%、25日まで…翌日以降20%
株式を10%の税率で売却できる期限が25日までとなり、26日以降に売却すれば税率が20%に上がる。
個人の投資家は注意が必要だ。株式の売却益への税率を10%に抑えた「証券優遇税制」が年末で廃止になり、来年からは本来の20%に戻る。株式の売買成立から受け渡しまで3営業日かかり、税金は受渡日に発生する仕組みとなっており、今年最後の取引日の30日を受渡日とするには、25日までに売却していることが必要だ。
(2013年12月24日22時53分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131224-OYT1T01411.htm
◆上場株式は、売買注文が成立した約定日でなく、引渡し日による決済基準で税率判断がなされています。
2)元公務員兄弟、遺産9億円隠す 脱税容疑で国税局が告発
朝日新聞デジタル 12月25日(水)7時7分配信
(略)
関係者によると、兄弟は、静岡県藤枝市で不動産業を営む父親が2011年9月に死亡した後、土地や預金など計約20億円分を母親とともに相続。その際、このうちの国債や預金、生命保険など9億円相当を申告せず、相続税約4億5千万円を免れた疑いがある。
朝日新聞社
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131225-00000003-asahi-soci
◆まぁ言うまでもありません。
3)祈祷料1.8億円、腕時計に 愛知の寺に源泉漏れ指摘
朝日新聞デジタル 12月11日(水)10時2分配信
元住職が信徒らから祈祷(きとう)料などとして受け取った寺の収入約1億8千万円を、スイス製の高級腕時計の購入費に流用したなどとして、愛知県豊田市にある弘恵寺を運営する宗教法人「鞍馬山別院弘恵寺」が、名古屋国税局から所得税の源泉徴収漏れを指摘されたことが分かった。追徴課税は重加算税を含め約8千万円とみられる。
(略)
元住職によると、流用した金でスイス製の高級腕時計を購入するなどしていた。1個数百万円から1千万円を超えるものもあり、多い時で20個ほど所有。約10年前に雑誌を見て興味を持ったのがきっかけで、腕時計をながめて仕事の息抜きをしていたという。
朝日新聞社
最終更新:12月11日(水)10時2分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131211-00000016-asahi-soci
◆コメント不要でしょうね。
4)5年間で投資減税や規制改革 「第3の矢」成長戦略を推進 競争力強化法成立
2013.12.4 22:48
安倍晋三政権の成長戦略を具体化するための産業競争力強化法が4日の参院本会議で自民、公明、民主党などの賛成多数で可決、成立した。今後5年間で投資減税や規制改革など幅広い施策を集中的に行い、企業に事業再編や設備投資を促す。日本企業の国際競争力を底上げすることで経済成長を目指す。
(略)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131204/trd13120422510009-n1.htm
◆平成26年度税制改正における経産省関係の改正は、ほとんどこの法律の施行が大前提になっています。現時点で施行はまだで、パブリックコメント段階にあります。経産省の説明によれば、平成26年1月20日前後の施行を目指しているとのことです。
《2》NTT正規代理店からの詐欺的営業にご注意を
最近、弊所に、ブロードフューチャーと名乗る業者から電話がありました。
電話の内容は次の通りです。
「NTTより正規に委託されて連絡をしているブロードフューチャーです。西日本地域の委託を受けています。この度、福山市全面の電話線の交換が完了したことに伴い、事務所の中の回線工事の連絡をしています。
この工事には料金は一切掛かりませんし、月々NTTより請求している電話代の請求先が変わったりするようなことはありません。
この工事に契約書等はなく、認印も頂くといったこともありませんので、安心して下さい。」
おかしいと思い、NTT西日本(0120-116116)に確認したところ、NTT代理店ではあるが、こちらの想像通り、実はフレッツ光の営業の電話だったとのことでした。
悪質な、詐欺的営業であることを伝え、上司に報告する旨は伺いましたが、恐らくこのあたりで類似した営業を展開していることは間違いないでしょう。
くれぐれもご注意下さい。