事務所便り令和2年(2020年)3月末号
第1 税務・会計・法務情報
《1》4月中に福山市役所に所有土地建物の閲覧に行きましょう(無料)
不動産を所有している方、あるいは家族が所有している方への情報です。
福山市では、毎年、4月中の間、福山市役所へ行くことで、自分の所有している土地建物の閲覧(縦覧)と名寄せ帳写しの交付を「無料」で受けることが可能です。
本年の縦覧は、4月1日水曜から4月30日木曜まで(土・日・祝日を除く)です。
朝8時半から夕方17時15分まで、福山市役所2階資産税課で実施しています。
上記の縦覧期間以外で取得する場合、窓口で手数料が生じます(有料)。
自分や親の土地建物の名寄せ帳をがあれば、将来の相続準備などに役立ちます。
毎年送付されて来る「課税明細書」では何故ダメなのでしょうか。
それは、
☆「名寄せ帳には、非課税分や共有分も表示される」からです。
課税明細書には、非課税分や共有分で自分以外が納税義務者のものが出てきません。
例)山田太郎であれば、山田太郎単独所有分だけでなく、共有名義かつ非課税扱いとなっていた公衆用道路分等も、交付を受けることができます。
共有分は、課税され、かつ、自分が納税義務者になっていれば把握できますが。
それ以外では、課税明細書が送付されてきません。
毎年送付されてくる課税明細書には記載されていない不動産がある場合も、福山市内の物件であれば、この名寄せ帳には網羅されることになります。
この非課税分や共有分は、評価額そのものは大したことないことが多いのですが、遺言や遺産分割協議の際に漏れていると、後で売却する際等に、大きなトラブルになることが知られています。
ここで大事なことを1つ。
☆名寄せ帳の写しは、福山市の場合、本人か代理人が窓口に行かないと貰えません。
郵送では取得できません(福山市の場合)。
では、本人が行けない場合ですが、同一生計同居親族が窓口に行く場合には、窓口に行く人が本人確認書類(例:運転免許証・健康保険証など)を持って行けばOKで、印鑑も不要でした(濱田体験談)。
同居のご家族が行けるようであれば、行ってみることをお勧めします。
現在のコロナウイルスの現状であれば、郵送取得を可能にしても良さそうですが、現時点では、取扱いを変更する話はないとのことです(窓口電話確認3/30)。
なお、尾道市の場合は、縦覧期間が5月末までと2月あり、更に、郵送で交付申請できるようです。詳細は、尾道市役所資産税課(市役所本庁2階)[0848-38-9162(土地係)]へお問い合わせ下さい。
参考)
2020年度(令和2年度)固定資産の縦覧・閲覧を行います(福山市)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/shisanzei/5950.html
委任状について(福山市)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/zeisei/3746.htmll
◆記載例があり、Wordやpdfの書式がとれます。
縦覧・閲覧制度について(福山市)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/shisanzei/51.html
◆有料で閲覧・取得する場合の要領です。
「税証明交付・閲覧申請書」(福山市)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/133271.pdf
◆有料で閲覧・取得する場合に記載する申請書です。窓口では緑色の用紙を配布しています。なお、無料期間のものは窓口でだけ貰えるようです。
窓口での税証明申請について(福山市)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/zeisei/1415.html
◆一般的な本人確認書類について記載してあります。
なお、福山市の場合、2020年度(令和2年度)の課税明細書の発送予定日は、2020年(令和2年)4月9日(木曜日)です。
注)「課税明細書」は、通常、毎年の「固定資産税・都市計画税納税通知書」の後ろに添付されて送付されてきます。件数が多い人の場合には、添付でなく、別紙になっていることもあります。
《2》振替納税における振替日が発表されました(所得税・消費税)
令和元年分所得税・贈与税・個人消費税の申告期限が4月16日に延長され。
振替納税のある所得税と個人消費税については、振替日も変更となりました。
結果、振替納税の日は、5月となりました。
〇 振替納付日
・ (振替納税をご利用の方へ)口座からの振替日が、申告所得税は5月15日(金)、個人事業者の消費税は5月19日(火)になります
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/kigenencho.htm
(振替納税をご利用の方へ)口座からの振替日が、申告所得税は5月15日(金)、個人事業者の消費税は5月19日(火)になります
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0020003-044_01.pdf
振替納税届出のある金融機関口座で引き落としができないと、延滞税が発生します。
残高不足が生じないよう、口座残高の確認をよろしくお願いします。
《3》国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ(国税庁)
各種対応のFAQが国税庁から出されました。
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ(令和2年3月)
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/faq.pdf
税理士事務所が感染した場合に、個別申請して期限延長が認められるなどの記述があり、弊所としても、ほっとしている次第です(あくまでも最悪の事態用ですが)。
なお、日経で下記記事が出ました。
法人税や社会保険料、1年猶予へ 収入急減の企業対象【イブニングスクープ】
2020/3/27 18:00 (2020/3/28 5:48更新)日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57324000X20C20A3MM8000/
2月以後収入が大幅に減少した企業や個人事業主が対象とのこと。
申告前提の制度設計と思われますが、詳細はこれから詰める段階です。
《4》広島国税局では税理士関与先への調査着手は原則4月16日まで中止
この時期、調査の新規着手は悪質案件・現金業種を除けば。
税理士関与のない納税者に限ると、広島国税局から通知があったそうです。
4月16日までは新規着手はしない旨、税理士会から、FAXが流れてきました。
その後、他の国税局も追随しているようです。
《5》市民税等の申告期限の延長について(福山市)
福山市も市民税・県民税・国民健康保険税の申告期限を延長しました。
延長後の申告期限は国税同様、2020年(令和2年)4月16日(木曜日)です。
感染拡大防止のため、可能な限り郵送提出を呼びかけています。
申告書用紙は、市民税課(084-928-1269)に電話して送付を依頼するか、市民税課ホームページに掲載されているpdfを印刷して利用可能です。
《6》日本政策金融公庫で実質無利子・無担保融資を実行(首相官邸)
流石に、かなり踏み込みましたね。
「日本政策金融公庫等において、特別貸付制度を創設し、売上が急減した個人事業主を含む中小・小規模事業者に対して、実質無利子・無担保の融資を行うことといたします。
これらは第一弾の緊急対応策で講じた5,000億円の資金繰り対策も含め、遡って適用し、万全を期します。」
新型コロナウイルス感染症対策本部(第18回)
首相官邸 令和2年3月7日
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202003/07corona.html
新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(パンフレット)
経済産業省 2020年3月24日20時現在
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
将来の財政を考えると頭は痛いけれど。
今はそれどころじゃないよね、ということですよね。
新型コロナウイルス感染症に関する融資制度の拡充について
2020年3月12日
株式会社日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_200312a.pdf
参考)
日本政策金融公庫福山支店 電話 084-922-6550
日本政策金融公庫尾道支店 電話 0848-22-6111
営業時間 9:00~17:00
《7》厚労省による助成金制度等
1)小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します[厚生労働省]
厚労省から助成金制度創設について、アナウンスがありました。
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します[厚生労働省]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
詳細はホームページを確認するか、顧問の社労士さんにお問い合わせ下さい。
2)時間外労働等改善助成金(テレワークコース)[厚生労働省]
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)[厚生労働省]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikitelework.html
こちらも、詳細はホームページを確認するか、顧問の社労士さんにお問い合わせ下さい。
《8》ひとり親控除の毎月の源泉徴収は令和3年以後(税務通信)
税務通信3598号2020年03月23日より。
○経過措置により給与所得者は今年の年末調整で適用可
令和2年度改正 ひとり親控除を創設
令和2年分以後の所得税について適用
いや、通勤手当の改正と同様に、4月になって経過措置が出て。
またバタバタするのだろうとばかり思っていたのですが、違いました。
そうではなくて、毎月の源泉徴収は既に出ているものでやって。
今まで通りでよい、というのですね。
ただし、ひとり親控除や改正後の寡婦控除については。
年末調整でいきなり適用となります。
毎月の業務に影響が出ないのはありがたい反面。
年末調整の時に、確認業務で大きな負担が出る可能性もありますね。
いずれにせよ、令和3年分からは、毎月の源泉徴収税額に影響します。
給与計算・年末調整担当者は、対象者と作業内容を早めに確認しておきましょう。
第2 研修会情報・執筆情報
《1》関与先様向研修会
1)弊所における研修会開催
弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。
昨年は、1月に改正税法研修会、4月に所得拡大促進税制セミナー、7月に消費税の税率改定対応セミナー、11月に相続税贈与税セミナーを開催しました。
関与先様で、自社の利用で必要な方は、お申し出頂ければ、セミナー資料等をお渡しできます。
なお、弊所からお渡しする資料については、上記研修資料を含め、自社以外での利用は行わないよう、宜しくお願いします。必要があれば、別途ご相談頂ければ幸いです。
2)令和2年度税制改正速報セミナー
本年は、2月5日午後に福山商工会議所8階TKC福山SCG情報センター研修室にて、令和2年度税制改正に関する研修会を行いました。関与先様には、お申し出頂ければ当日の講義音声を録音したCDをお渡しさせて頂きます。
《2》外部研修会情報
1)税務研究会関東信越局 事業承継セミナー
2020年6月15日月曜大宮ソニックビル6階602会議室(さいたま市)にて、事業承継についてのセミナー講師を務める予定です。なお、私が第1回で、第2回は、大阪勉強会グループメンバーの村木慎吾先生で、リレー形式での研修会となる予定です。
→コロナ関連で開催時期は延期となりました(時期未定)
また、秋口に名古屋地区でも開催予定となりました。
《3》執筆情報
1)雑誌関係
(1)週間税務通信(税務研究会)
週間税務通信で月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会のメンバー(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。
税務通信020年3月9日号(No.3596)に「実例から学ぶ税務の核心 第41回 改正民法(債権法)施行への対応」が掲載されました。
弁護士の方々が書かれた稿だと、時効や保証を語っている例が多いのですが。請負・委任と印紙税判断との関係に一定程度力点を置いています。機会があれば、是非、ご一読下さい。
(2)労務事情(産労総合研究所)
雑誌「労務事情」で月1回法人の給与税務関係での連載を行っています。労務事情 2020年3月15日No.1402では、「役員昇格従業員の退職金支給方法」が掲載されました。
「Q 役員に昇格した従業員から,税務上,従業員分の退職金を受け取るのに最も有利な時期を聞かれました。①役員就任時,②従業員身分喪失時,③役員退任時のうち,いずれが最も有利なのでしょうか。」
紙版の事務所便りを配信させて頂いているお客様には、別紙で同時にお送りする予定です。ご覧になって頂き、普段の実務に生かして頂くようお願い申し上げます。
2)書籍関係
(1)別冊税務弘報 夏休みの自由研究のテーマにしたい「税」の話
別冊税務弘報 夏休みの自由研究のテーマにしたい「税」の話
別冊税務弘報編集部 (編集)[amazon(予約中)]
https://www.amazon.co.jp/dp/4502331813/
実は、私も書いてます。
「8 小学生YouTuberが知っておくべき税務知識」
本屋で見かけたら、手にとってみて下さいませ。
第3 その他
《1》お勧めの書籍・雑誌
(略)